2006年06月30日

Roland RS-202 string synthesizer

rolandrs202.jpg

Wind & Wuthering、...And Then There Were Three の2枚のアルバムのレコーディングのみで使用されたストリングマシン。ちなみに、トニーバンクスが初めて使った日本製キーボードがこれ。

Wind & Wuthering では、ストリングスは、Mellotron400がメインで使われており、このストリングマシンがメインで使われたのはAll in a Mouses's Nightのみ。その他のYour Own Special Way、'Unquiet Slumbers for the Sleepers〜In that Quiet Earth'とかAfterglowでも使われているような気もするが、これはちょっと自信がない・・。

次作の...And Then There Were Threeでは、RS-202と、MoogのポリフォニックシンセサイザーであるPolymoogがストリングスとして多用され、その結果Mellotronはほとんど使われなくなった。ちなみに、...And Then There Were Threeでは、さらにジェネシスのアルバム初登場のYAMAHAのCP70という、これまた独特な音色で一世を風靡したエレピが多用されており、このキーボードの組み合わせが、アルバム全体のサウンドカラーに非常に影響を与えている。このアルバムでは短い曲を多く入れてポップな音作りを目指したジェネシスだったが、恐らくサウンドイメージを変えるため、意図的にそれまでと違うキーボードを使ったという面もあったのではないかと思っている。

この当時、シンセサイザーというのはモノフォニック(単音しか出ない)が当たり前であり、どうしても和音が必要なストリングスは、メロトロンに頼るしかなかった時代である。しかし、メロトロンがあまりにも調整に手間がかかる楽器だったため、キーボードプレイヤーの間では、もっと手軽にストリングスを奏でられる楽器が必要とされていたのだった。多くの楽器メーカーは、和音の出せるシンセサイザーの開発にしのぎを削っており、ようやくMoogが出したPolymoogというシンセサイザーが、8音ポリフォニックという仕様だったのだが、まだまだ非常に高価で不安定な楽器だった。一方、音色をストリングスに固定して、シンセサイザーのような可変部分を大幅に減らして、和音の出る「ストリングスマシン」とか「ストリングスシンセサイザー」と呼ばれる、ストリングスだけに焦点を絞った楽器を発表したメーカーもあった。これらはポリフォニックシンセサイザーよりだいぶ簡単な回路で実現できたため、安価で比較的安定しており、ライブなどでも好んで使うバンドがけっこういた。ストリングスマシンとして一番有名だったのは、シンセサイザーメーカーのARPが出したSolinaと呼ばれる楽器だった。割と熱心なARPユーザーのトニーバンクスだったが、ストリングマシンは敢えてメジャーだったSolinaを使わずに、当時まだそれほど海外でも評価されていなかった日本のRolandのストリングスを使ったのだった。

実は私は大昔楽器屋さんの店頭でRoland RS-202をちょっといじったことがあるのだが、そのサウンドはSolinaに負けず劣らずなかなか独特な音色で、All in a Mouses's Night で聞かれるストリングスの音色がほぼそのまま生のこの楽器の音である。...And Then There Were Threeでは、かなりエフェクトがかけられているようで、実はその個性的な音色がそれほど目立っていないのだが、アルバム全体にわたって多用されているようだ。ちょっと自信がないが、アルバム1曲目のDOWN AND OUT のイントロで流れてくるストリングスはPolymoogで、続いてギターのリフのバックに流れているストリングスがRS-202ではないかと思う。(本当に何度聞いても...And Then There Were Threeでは、正直どこがRS-202で、どこがPolymoogかがよく分からない。案外ほとんどがRS-202のような気もするのだが・・・)

ちなみに、このRS-202は、なぜかライブでは全く使われなかった。この頃のライブでは、トニーはまだMellotronを使っており、それ以外のストリングスパートはPolymoogで演奏していた。

RS-202のチラシ
posted by Holy Knebworth at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Instruments | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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